4.gif (787 バイト) 読書…小説・その他(11)4.gif (787 バイト)






探偵ガリレオ

 本作は、被害者や容疑者が説明のつかない事象に見舞われるところから始まります。突然燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、幽体離脱した少年、などなど……。

 ちょっと偏屈な天才物理学教授・湯川が難事件を解決!とくると、森博嗣の作品に出てくる犀川教授とダブるところですが、

 森博嗣 ⇒ 文章が理系チックだが、トリックは科学知識を必要としないものが多い

 東野圭吾 ⇒ 文章は平易だが、トリックに科学的な要素が入っている

 ……という違いがあるのかな、と。一章ごとに完結した短編集ですのでサラサラと読めました!

クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い

 第23回メフィスト賞受賞作。以前勧められて読んだ「新魔法少女りすか」がなかなか面白かったので、筆者・西尾維新の別作品も読んでみようと手を付けたのが本書「クビキリサイクル」です。

 絶海の孤島に集められた様々な分野の天才たちが、ひとりひとり首を切られて死んでいく。一癖も二癖もある天才に翻弄されながらも、凡才(あくまで周囲の人間との比較)の主人公いーちゃんが奔走し解決へと導きます。

 りすかでも見られた、無力で空虚な世界と自分に対する言葉(戯言)がけだるいと感じるところもありました。しかしながらストーリや謎解き、オチは面白かったです!伏線張られまくりでモヤモヤも残りましたけど!こら次も読まざるを得ない状況になってるんですけど!

七回死んだ男

 セーブとロードを駆使し、ある物語を何度も繰り返し、最適な選択を見つける……。ゲームをやったことのある方なら経験があるかと思います。この小説は「実際に、ある一日を繰り返し体験してしまう」体質の持ち主が主人公です。

 高校生の久太郎は、時間の反復落とし穴を認識できるという不思議な能力を持っています。その落とし穴のうちの一日で、祖父が殺されるという事件が発生します。久太郎は当日の午前0時に戻っては祖父の死を防ぐために様々な対策を行いますが、そのたびに祖父は殺されてしまいます。何故、そして誰に殺されたのか?

 「YU-NO」「CROSS†CHANNEL」など、時間の繰り返しを扱ったゲームはやったことがありますが、推理小説にその概念を持ち込むとこれほど面白いとは思いませんでした!情報を得るために強引な手法を用いたとしても、リセットすればすべて元通りという面白さ!解決編でもあっと驚く仕掛けが用意されていますよ!

奇妙な論理〈1〉―だまされやすさの研究

 Wikipediaの「疑似科学」を見ていたところ、参考文献として本書が載っておりましたので読んでみました。まあ面白いこと!

 本書はさまざまなトンデモ理論を紹介し、この荒唐無稽さを「かなりキツめに」批判していきます。例を挙げるだけでも面白いのですが、

 ・現代において地球は平らだという理論を唱える者、地球は中空だと信じる者、そもそも我々は球面の内側にいるのだと証明する者

 などなど。他にも進化論を否定し、相対性理論を否定し、人種差別を助長するなど、科学の名を借りたトンデモ理論は限りがありません。

 ヴェーゲナーの大陸移動説も、発表当初はほとんど相手にされませんでした。それらの突飛な理論と疑似科学の違いは何か、が書かれており、また疑似科学を信仰する人間が陥りやすいパターンも説明されています。これが話題になったカルト教団に気持ち悪いほど当てはまるんですよね。1950年代に書かれた本だとは思えません。

どすこい(安)

 これ、いいのかな……?

 各短編のタイトルを列挙すると、「四十七人の力士」「すべてがデブになる」「脂鬼(しき)」「パラサイト・デブ」「土俵(リング)」「でぶせん」いいのかコレ。冒頭で各作者に謝ってるけどいいのかコレ。

 一言で言うとデブが大活躍なお話です。肉大好き!脂肪大好き!I am 力士フェチ!というデブ専な方にオススメです。あ、暑苦しいので真夏に読むのは辛いかも。

極道放浪記(1)(2)

 お久しぶりの読書更新!最近アタリがなかったもので……。

 で、やっぱり浅田次郎はハズさないですね〜。筆者が極道だったころの体験談が書かれています。

 やってることは犯罪スレスレの行為なのですが、読んでいる私たちに嫌な感じを与えない、むしろある種の爽快感があるようにエンターテイメントとして加工されてるのはさすがです。氏がいままで書いてきた小説に登場する極道の、モデルらしき人も出てきますよ!