4.gif (787 バイト) 読書…小説・その他(4)4.gif (787 バイト)






暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで

 最強にオススメ。これはすごい。

 人類が辿ってきた暗号の歴史と、それに付随する歴史的出来事が紹介されています。時には暗号が一国の女王や、国の運命そのものを変えてしまったこと。新しい暗号が出るたび、解読のためにありとあらゆる方法がとられ、すさまじい執念のもとに暗号が破られていったこと。

 ナヴァホ族の言語を暗号として通信したことや、エニグマを解読したことなど、章ひとつひとつがそのまま映画のプロットに使えるぐらいに濃くて面白い物語がびっしりと詰まっています。

 かといって、数学的な知識は必要なく、数式すら出てこない書き方にも好感が持てます。作者は「フェルマーの定理」を書いた方だそうで、数学的な話が好きな方はぜひとも読んでみてください。

髪日和―出張美容で髪も心も輝いて

 美容師の華やかな物語……と思ってはいけません。出張美容は寝たきりで美容院に行けない女性のためのものであるからです。

 病気、介護、そして死すら身近にある女性に対し、美を施していく。さまざまな介護者・被介護者の物語を読むことで、いろいろと考えさせられることでしょう。

プリズンホテル1〜4

 ものすごく魅力的なヤクザを書く浅田次郎が、その真価を発揮しまくった作品。なんとホテルの従業員から支配人、客にいたるまでヤクザだらけ!その中に紛れ込んだ生真面目なホテルマン、頑固な料理人、偏屈な小説家など癖のある登場人物が入り乱れ、嵐のようにさまざまな事件が起こります。

 コミカルかつ情に厚いヤクザばかりなので、時には笑い、時には涙する出来事がはちきれんばかりに詰まっております。読み終えたあとはとても爽快な気持ちになれる、素晴らしい本です。

 ちなみに私は、4巻の賞の話が大好きです。身の毛がよだつぐらいの感動を覚えてしまいました。くぅ……。

ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか?

 オススメです!ただのパズル本かと思ったら、面接試験そのものに対する深い考察がなされています!

 マイクロソフトの面接試験には、「なぜマンホールのフタは丸いのか?」「アイスホッケーリンクの総重量は?」など、答えが求められないパズルじみた問題が出るそうです。

 そもそもパズルを解くことと優秀な社員であることに関連があるのか。IQテストは人種差別に繋がっているという事実。面接試験、就職試験について疑問を投げかける本となっております。

 後半には実際にマイクロソフトで出された問題が紹介されています。これから就職活動をする方は、一度読んでおくと面白いですよ!この本以上に難しい質問は出ないと思われます!

 では最後に、私の一番好きな問題を紹介いたします。

 導火線が2本あります。どちらもちょうど1時間で燃え切ります。ただ、導火線は必ずしも均一なものではなく、一定の割合で燃えるわけではありません。燃え方が遅い部分と速い部分があります。この導火線とライター1個を使って、45分を測るには、どうすればいいでしょうか。

詩的私的ジャック

 犀川&萌絵シリーズ4作目。今回の表紙には事件現場の図面がなく、空間的なイメージを必要としないトリックなので、小説として読みやすいと感じました。

 犀川が海外出張のため、序盤は萌絵の視点が中心となっています。もうね、萌絵と国枝桃子の会話や、泥酔した萌絵が犀川にきゃあああああああああああ(≧▽≦) 事件とは関係ない部分でときめくのはいかがなものかと!>自分

封印再度―WHO INSIDE

 このトリック(というかパズル)の解は大好きですー!

 事前に「次第に萌絵がウザくなってくるよ」というアドバイスを頂いたのですが、まあ、その、ねぇ?(寛容な父の目で)

もの食う人びと

 オススメです!この本、というかこの筆者はすごい……。「ものを食べる」という視点で世界中を旅した筆者のルポタージュです。

 食べ残しを流通させているインドの残飯市場、先進国の猫のために月収の3分の1ほどの猫缶を作り続けるタイの少女、上層部の腐敗により餓死したロシアの新兵、元ポーランド大統領が食べる敗北の味、そして、人肉食。

 戦争、差別、貧困。さまざまな国がかかえるあらゆる問題を、人類共通の行為「食」というテーマで貫いたのは見事です。