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塗仏の宴 宴の支度 / 宴の始末

 登場人物がそれぞれ記憶を操作されている疑いがあり、誰が本当のことを言ってるのか、誰が悪者なのかが次第にわからなくなってきます。そして読者自身も自らの立場が危ういことに気付くでしょう。

 ……で、最後の最後で「うおおおおお!」という展開があり、すべてがキッカリと繋がるさまはお見事です!ただ分厚いのがね……。持ち運びは辛いですが、読みごたえがありました。

鉄道員

 いまさらですが良かった!じーんと心に染みわたります!本当に浅田次郎って人は凄い!

 高倉健と広末涼子が演じて映画化された「鉄道員(ぽっぽや)」を含めて8編が収録された短編集です。鉄道員はもちろん、「角筈にて」や「オリヲン座からの招待状」など、脚光を浴びることはないけど自らの人生を賭して物事に打ち込む人の話などは心が震えまくりです。 「天国までの百マイル」と並び、書棚に入れ時々読み直したい一冊です!

殺竜事件―a case of dragonslayer

 ファンタジー+ミステリーの二重奏、と紹介されていますが、まさにその通り!なかなか面白かったです!

 人間より遥かに強く、比較にならない魔力を持ち、異常なまでの認識力を持つ竜。絶対的に上の立場にいる竜が、金属の棒1本で殺されているところに遭遇する主人公。いったい誰が、なぜ、そしてどうやって殺したのか?

 ファンタジーというと、作者の想像している世界を説明するために、過剰なまでの説明・規則があったりしますが、この作品はただ

 「竜が過剰なまでに強い」

 という一言で世界の背骨を説明できており、すんなりと作品に入っていけます。最後はちょっと反則気味かな〜というところもありましたが、面白かったです!1巻で完結するのが惜しいぐらいです!

天切り松 闇がたり

 まさしくオススメと断言できる本です。これを読んでいる最中、3回ほど電車を乗り過ごしました。それぐらい引き込まれる!

 世に名高い義賊「目細の安吉一家」が、粋でいなせな江戸っ子の心意気を盗みで見せてくれます。まあそれがカッコイイことカッコイイこと!貧しい者を助けるため、自らの意地と命をかけて胸のすくような泥棒をやりぬける盗賊たちの鮮やかさといったらありません!

 再就職できるのであれば「江戸っ子」になりたくてしょうがありません。あれって三代続けて住まなければならないんでしたっけ?難しいなぁ……。